新富町のしごと

都市部での仕事をリモートで行い、宮崎県新富町で地域創生の現場に飛び込んだ有賀さん。地域の人たちと交わりながら、その課題や想いを引き出しつつ、女性ならではの視点で教育や人材育成に取り組んでいます。

■プロフィール
新潟県生まれ、神奈川県育ち。日本大学芸術学部文芸学科卒業後、多種多様な職種を経験して会社員から個人事業主へシフト。人材育成面のスキルを身につけて研修講師として、またポッドキャスターとして音声メディアを活用した広報活動など新たな分野へ挑戦を続けている。ディズニーが大好きで、趣味はミュージカル鑑賞。

 

心に響いた「一歩踏み出してみよう!」という言葉

ーなぜ、新富町に移住しようと思ったのですか?

有賀:昨年こゆ財団が開催したローカルシフトアカデミー(略称:LSA)に参加したのがきっかけで、新富町にご縁ができました。こゆ財団執行理事の高橋さんに「新富に来ない?」と誘われ、はじめはピンと来なかったのですが、地方創生や人材育成に興味を持っていたので、この機会に可能性を感じたというか…。

こゆ財団の「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンは非常に共感しました。やりたいことに一歩踏み出せて、お互いがいいね!やろうよ!と言い合える社会を、世界中は無理でも新富から一緒に実現していけたらと思いました。

▲ローカルシフトアカデミーの同期であり、同じタイミングで新富町へ移住した仲間と。

ーどんな思いでLSAに参加したのですか?

有賀:講座やイベントなど興味を持ったものにはいろいろ参加してきました。LSAは「一歩踏み出してみよう」というワードに惹かれて申し込み、自分も一歩踏み出してみました。講師の方々や周りの受講生に刺激を受けて、昔からラジオ番組を聞くことが好きだったことを思い出し、音声メディアの活用でビジネスプランを発表しました。

ー音声メディアの活用とは?
有賀:ポッドキャストという音声アプリを使い、ゲストトークを発信することです。それがきっかけで今、東京のベンチャーキャピタル(※1)から週1回配信する仕事がいただけました。

(※1)ベンチャー企業やスタートアップ企業など、高い成長が予想される未上場企業に対して出資を行う投資会社のこと

週5日の会社勤務を離れ、個人事業主の道を選択

ー以前はどんなお仕事を?

有賀:いろんな会社でいろんな業務をやってきましたね。教育教材を販売する会社の営業に始まり、ディズニーの画像や映像を管理する仕事、福祉系やクラファンキュレーター(※2)等々…。楽しくやりがいも感じていたのですが、体を壊すまで働いたり、自分のキャリアを考えるとこれじゃないな、と感じたりしているうちに、そもそも週5日会社勤務することって必要かな?と疑問を持ち始めて。

ー周りも会社を辞める人が多かったとか?

有賀:ディズニー関係時代に知り合ったカメラマンたちが徐々に独立していく時期でした。私は独立開業とはいかなくても、個人事業主として働くのもアリかなと。

いろいろ考えた結果、マナー講師等のスキルを身につけた後に仕事も斡旋してもらえる研修講師の募集を見つけ、始めました。行政職員向けのマナー講習を中心に、SDGsの講師をすることもありました。

(※2)クラウドファンディング挑戦者が目標を達成できるよう、スタートからクロージングまで伴走する仕事。

コロナで仕事が飛び、「仕事は複数必要」と気づく

ー昨年の新型コロナの影響は?

有賀:そこなんです。新型コロナの衝撃で、4月と10月の繁忙期の仕事が全部なくなってしまいました。ああ、この仕事にはこんなリスクがあるのかと思い知らされ、個人事業主は仕事を1本にしちゃダメだなと思い、さらにいろんな仕事を探したり、ヒントになりそうな場に足を運んでいたわけです。

ーそんな時にLSAを知り、新富町とつながったということですね。

有賀:一歩踏み出して、やってみようよ!という雰囲気の中、改めて自分のやりたいことを考えてみたところ、地方創生に興味があったこと、教育や人材育成に関わってきたことなど、これまで点だったことが線につながっていく感覚を覚えました。
こゆ財団に関わる人たちはある意味クレイジーな人たちが多くて、何やっても許される感じが気に入りました(笑)。

今、こゆ財団で自分がやれること

ー4月に移住してから4ヶ月が経ちました。どんなことをしていますか?

有賀:こゆ財団では「こゆ みらいの学校」という人材育成プログラムを企画・運営していきます。また、ベンチャーキャピタルとのつながりから、全国のおもしろいスタートアップ企業と地方の可能性を語るオンライン講座「こゆチャレンジ大学2021(※3)」を月1回開催しています。

こゆ財団としての活動以外に、今年1月からスタートしたベンチャーキャピタルの音声メディア(※4)制作も並行してやっています。

(※3)レポート記事はコチラから
(※4)番組名『MIC Future Eyes−モバイル・インターネットキャピタル』
Spotifyでも視聴できます。

 

ー東京の仕事はリモートワークが可能なのですね。

有賀:収録は新富町の自宅でオンラインでやっています。戦闘機の爆音を拾わないかヒヤヒヤしながらですが(笑)。

それと、ちょうど私が移住した4月からスタートした新富町公式キャラクターおとみちゃんのアテンドもやっています。ディズニー好きの私にとってキャラクター絡みのお仕事ができるのは非常に楽しいですね!

▲新富町公式キャラクターお披露目イベントにて

「いいね!やってみよう!」と言い合える社会を新富から!

ーこれから、こゆ財団での活動を通して目指したいことは何ですか?

有賀:「やりたいことを諦めなくていい世の中、社会を実現すること」を目指して、そんな仕事に自分自身が携わっていたいです。そのためには自分もやりたいことを実現したいし、誰かの背中を押せる存在でありたい。「こうしなきゃならない」といった変な固定観念に縛られて苦しんでいる人が、もっと生きやすい世の中になるといいな、と思っているんです。

ー「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンを掲げるこゆ財団と共通する想いがありますね。

有賀:今の自由な働き方を認めてもらえていることも含めて、私にとっては非常に生きやすい場所です。チャレンジと一言で言っても、その一歩はハードル高く感じたり低く感じたり、人によって様々。自分もチャレンジしながら、周りの人の想いを汲んで背中を押せる、寛容な人間でありたいです。
そして、「いいね!やってみようよ」という言葉が自然に飛び交うようなまちづくりを、この新富町からメンバーと共に実現していきたいですね。

ーまずは「こゆ みらいの学校」からスタートですね。

有賀:起業家育成の前段階として、地域の仕掛け人を増やすことをイメージしています。ママたちも参加しやすい時間帯に開催する、敷居の低いコミュニティ作りの場と思ってもらえたらいいかな。今からドキドキしていますが、やりきります!!